島へのアプローチはやっぱり、船がいい。
たっぷり、伊豆大島で遊んだ後、夕方のジェットフォイル船で東京へ戻る(伊豆大島も東京なんだけどね)。
島の空気を最後に深く吸い込んで、船内へ。
指定のシートに座り、シートベルトを締める。
釣竿とクーラーボックスを抱えた釣り客、こんがりと日に焼けた若い島ガールたち。
家族連れや、一人旅、実家に戻っていた人。
みんな、それぞれの伊豆大島での島時間を過ごして、船に乗り込む。
やがて、ゆっくりと離岸。
ふと、窓の外を見ると、手をふる人たちが。
東海汽船のスタッフの横では駐在のおまわりさんも、手をふっている。
そして、その隣にはお世話になった人たちが笑顔で手をふる姿が。
それは、さよならの意味ではなく、
「また、戻っておいでね」というサイン。
島に待っている人たちがいる。
そう思うだけで、心の芯が温かく、そして強くなれる。
だから、私も笑って大きく手をふる。
離れていく船内からは、相手に見えないかもしれないけれど。
「また、戻ってくるね」と心の中でつぶやきながら、大きく、ゆっくりと手をふろう。